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広島カープと楽天イーグルスのことをデータを交えて書きます。勉強している統計学のこともちょっと書きたいです。

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マエケンも人の子?(2)

試合記録が間に挟まってしまいましたが、
今日は、先日途中で終わっていた企画物「マエケンも人の子?」
の続きをやりたいと思います。

前回のあらすじ:

いまやカープの支柱であるマエケンですが、そのマエケンといえども、
試合の後半まで投げると失点するようになってきています。
前回の記事では、これを統計的検定によって検証しました。その結論として、
「失点率は各イニングごとで実は変化していない」という仮説は、データと整合的でない
ことを確認しました。

前回の記事はこちら:マエケンも人の子?

さて今回は、この結論を受けて、以下の2つの質問について考えてみたいと思います:

1.失点率は具体的にどのあたりで上昇するのか?
(今回の記事では、100球を超えたあたりをひとつの基準として考えてみます)
2.試合前半の失点率と後半の失点率はそれぞれどの程度か?


1.失点率は具体的にどのあたりで上昇するのか?

イニングを投げるごとに失点率が上昇するとすれば、
その原因は、投手の疲労や、相手チームの目が慣れてくることなどでしょうが、
いずれの場合も、その投手の球数と失点率が関係していることを示唆しています。
そこで今回の分析では、「マエケンは100球を超えたあたりで失点確率が上昇する」
という仮説を設定し、それがデータと整合的かを見てみようと思います。
(100球が目安としていいのかどうかは、ここでは問わないことにします)

データの都合上、マエケンがどのイニングで100球を超えたのかはわかりませんでしたので、
毎イニング同じ球数を投げたらここで100球超えるな、というイニングを目処としました。
(つまり7回120球を投げた日は、平均17球/回となるので、
 5回までは100球未満、6回以降100球超、と仮定)

表2は、その基準のもとで100球未満となったイニングについて、
表1と同様の記録をとったものです:

(表2)
02.jpg

投球回数……マエケンが各イニングを(100球未満で)何度投げたか
(例:1回を投げたのは13試合、9回を100球未満で投げたことはない、等)
失点回数……各イニングに何度失点したか
(例:1回に失点したことはない、2回に失点したのは2試合、等)
(注意:「失点したかしてないか」の記録であり、「何点」失点したかではない)
各回失点率……失点回数/投球回数

表1と違い、9回の投球回数が0になっています。
これはつまり、9回を投げているときはいつも、すでに100球超えていた、ということです。
8回を100球未満で投げた日は1度だけあるようですね。たしか開幕戦です。

ではまず、前回と同様の検定を、100球未満のイニングに限定してやってみましょう。

検定2:100球未満のイニングに限定した場合、各イニングの失点率は同等か?
前回と同様、各イニングの失点率が、「本当は」まったく同じだったと仮定してみましょう。
そのような仮定のもとで、今シーズンのマエケンのようなデータが
「偶然」観察される確率を計算したところ、約66%、という結果が出ました。
つまり、100球未満のイニングに限定してみると、各イニングの失点率に大きな差はない
という仮説は妥当である(データと大体整合的である)ということが言えると思います。

前回の記事の検定1を思い出していただくと、検定1では、
「全イニングの失点率が同等である」という仮定をして、
今シーズンのマエケンのデータが偶然観察される確率をして、
約11%という結果を得たのでした。これをふまえると、
マエケンは、100球未満のイニングでは、失点率にあまり差はないのに、
100球を超えるあたりで失点率が上昇している
、ということが示唆されます。


2.試合前半の失点率と後半の失点率はそれぞれどの程度か?

それでは、100球の前後で、どの程度失点率は上昇しているのでしょうか?
表2をもとに100球未満のイニングの平均失点率を計算すると、0.115/回でした。
つまり各イニングに失点する確率は(100球未満のイニングに限ると)11.5%、ということです。
同様に100球超のイニングで平均失点率を計算すると、0.192/回です。
(全イニングの平均は、表1の数字から、0.135/回)
100球を超えても失点率19%というのは、やっぱりかなり低い気がしますが、
それでも100球未満のデータと比べると上昇していることがうかがえますね。
ただ100球超えたイニング数は26とそれほど多くないので、
この差も偶然といえなくはないかもしれません。最後にこれを検定してみましょう。

検定3:100球未満のイニングの失点率と、100球超のイニングの失点率は同等か?
前の2つの検定と同じ議論で、まず100球未満のイニングの失点率と、
100球超のイニングの失点率は、「本当は」同じ、と仮定します。
その仮定の下で、今回のような違いが「偶然」観察される確率を計算すると、わずかに1%!
というわけで、100球未満のイニングの失点率=100球超のイニングの失点率という仮説は、
データと整合的とはいいがたく、この2つの間にはギャップがある、と結論付けられそうです。

さて、以上長々と検証してきましたが、結論としては、
マエケンは100球前後で顕著に失点率が上昇する、ということです。
そういう意味では、マエケンも「神の子」ではなく、
疲労によって消耗する「人の子」だ、ということができるでしょう。

もっとも、上昇しても失点率19%は相当低い数字ですし、
上昇前の11%にいたっては、単純計算で
3試合に1試合は完封できる(100球未満で抑えた場合)
という驚異的な数字ですから、そういう意味では、やっぱり並みの「人の子」ではないようです。

今シーズン、そして来シーズン以降も球界を代表するエースの一人であれるよう、
疲労や故障には十分気を使ってほしいものですね。



……さて、このブログでは、こんな感じで、
試合記録を載せる回と、統計を実際に使って何か分析する回の2種類を中心に、
たまにもう少し統計理論のことを(備忘録的な意味も込めて)書いたり、
忙しいときには単に試合やニュースの感想を書いたり、
という感じで進めていければと思います。

わかりにくかった点や、疑問、感想、などなど、
どんなコメントでも励みになりますので、何かありましたらぜひ一言残していってください!
そしてよろしければ、今日もまたクリックのほど、よろしくお願いします~。

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  1. 2010/06/14(月) 21:13:44|
  2. マエケンも人の子?
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マエケンも人の子?

こんにちは、カープファン学生です。
昨日は早速忙しくてブログをさぼってしまいましたが、すごいことになってましたね……。
個人的には、主砲栗原のけがが心配です。
せっかく調子を回復していたのに、こんなことになるなんて……。
とにかく、一刻も早い復帰を願っています!!

さて、統計手法を使ってみたいと宣言して始めたブログなので、
そろそろまじめに何かしようと思っていたのですが、今回は、
マエケンの失点確率と球数の分析をしてみたいと思います。
(ただ、書いてみたらすごく長くなってしまったので、
今日の記事は全体の半分だけやって、後半は明日アップします)

いまやカープの支柱であるマエケンですが、
1点台の防御率を誇りながらも、やはり試合後半になると、たまに失点する場面があります
(おとといのロッテ戦はそれが決定的な形で出てしまったわけですが)。
今回は、まずマエケンが毎回どの程度失点してるのかを、以下に表にまとめて見ました:

(表1)
01.jpg

表の見方:
投球回数……マエケンが(今年の公式戦開幕以降)各イニングを何度投げたか
(例:1回を投げたのは13試合、9回を投げたのは3試合のみ、等)
失点回数……各イニングに何度失点したか
(例:1回に失点したことはない、2回に失点したのは2試合、等)
(注意:「失点したかしてないか」の記録であり、「何点」失点したかではない)
各回失点率……失点回数/投球回数

これを見てわかっていただけるように、大まかに言えば、
イニング後半になるに従って失点率が上昇しているということです。
特に9回の失点率は顕著な高さですが、9回まで投げたのはわずか3試合なので、
これは単なる偶然ということも考えられます。
そこで、以下で統計的検定を試みてみました。

検定1:各イニングの失点率は同等であると言えるか?
各イニングの失点率が、「本当は」まったく同じだったと仮定してみましょう。
つまり後半になるに従って失点率が上昇しているように見えるのは、まったくの偶然、という仮説です。
そのような仮定のもとで、今回のマエケンのようなデータが「偶然」
観察される確率を計算したところ、約11%
という結果が出ました。
(このあたり、不正確な書き方をしています(汗)。
とりあえずもう少し専門的な説明を最後につけましたが、
どういう検定手法を用いたのかも含め、交流戦終了後にまとめて記事にしたいです……)

この数字が大きいか小さいかは判断の難しいところですが、
明日アップ予定の後半の議論を見ていただければわかるように、
少なくとも相対的な意味では、十分小さい数字と言えそうです。
つまり、「本当は各イニングでの失点確率は同等なのに、
偶然上昇しているかのような結果が出た」という議論は、
データと整合的でなく、あまり妥当でない、ということです。

それでは、一体マエケンの失点率はイニングを追うごとにどの程度上昇するのでしょうか?
またその上昇はどの程度のものなのでしょうか?
今回はすでに結構な分量になってしまいましたので、続きはまた明日、別の記事で書きたいと思います。
実質的にはじめての記事で、読みにくいところもあったと思いますが、
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!!!
文章の書き方や分析手法の部分、表などについて、何かわかりにくい所や、
改善についてのご意見、また今後こういう分析をしてほしい、というご要望などありましたら、
コメント欄にぜひ一言残していっていただければと思います!
よろしくお願いします。

それではまた明日。今日は大竹ですね!勝てますように……。
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(ここから少し専門的なお話)
統計をかじったことのある方向けに少し追記しておきますと、今回の検定では、
帰無仮説:各イニングの真の失点確率が同じと設定し、カイ2乗検定を行いました(自由度8)。
カイ2乗統計値は13.05で、P値が0.11でした。
このP値で帰無仮説を棄却するのはやや棄却しすぎのきらいもあるかもしれませんが、
次回見るように、相対的には十分小さい数字といえると思います。
オールスターくらいになってもう少しデータがたまったら、
またやってみたいかなあと思っています。
  1. 2010/06/12(土) 20:06:05|
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プロフィール

カープファン学生

Author:カープファン学生
大学で統計学を勉強しているので、それを使って、カープや楽天の選手のデータを眺めたりしていきたいです。

自分の備忘録もかねて、授業で習った内容を野球に応用して書いてみる、ということもやってみれたら面白いかなあと思っています(できる範囲で・・・)。

アメリカに住んでいるので、日本の野球はリアルタイムではなかなか見られませんが、試合の記録などを書きとめていければと思っています。

そんなカープファン学生をよろしくお願いします。コメント大歓迎です。

twitterを始めてみました。カープファン学生(carpfangakusei)です。こちらもよろしくお願いします!

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